江田由紀浩の『虎ヲ被レ』

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zoom RSS チーズもち王子

<<   作成日時 : 2006/08/27 04:21   >>

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夏の大会を制したエースがマウンド上でする行為が、もし、
『ハンカチで汗を拭く』ではなく、
『チーズもちをサクッといただく』であったなら...。

ふと、思った。『チーズもち王子』。

ワイドショーを見ながら、
ふと、思った。『チーズもち王子』。

微かに涼しくなり始めた夜風に夏の終わりを感じつつ、
ふと、思った。『チーズもち王子』。

あれから、どれくらい悪戯に年を重ねたのだろう。
僕は、いつの間に大人と呼ばれることを許せるようになったのだろう。
琥珀色の日々。いつかの少年。
あの子は、今、どうしているのだろう。
無意識に火を付けられた煙草は、吸われることを忘れられ、
漂う煙だけが、時が止まっていないことを時折、気付かせてくれた。
ワインを一気に飲み干そう。
そう思い、グラスを口に近づけた。
その時。
僕は、思いがけず、こう呟いた。
「会いたい...」。
慌てて煙草を揉み消した。
まるで、その想いを押し殺すかのように。
まるで、その想いがいけないことであるかのように。
確かに胸が高鳴っていた。
しかし、それを酔いのせいにして、僕はベッドに潜り込む。
「少し眠ろう」。
声に出さずには、いられなかった。
「少し眠ろう。きっと疲れているんだ」。
そして、おおよそ眠るには似つかわしくないほど、固く目を閉じ、
ふと、思った。『チーズもち王子』。

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